日常
祖母の事を話すのは、今日が初めてです。
語れなかった。死を受け入れてもなお
... それが出来なかったのは、祖母がとても大きな存在で
素晴らしい人だったから、私の知ってる言葉をすべて並べても
変換することができなかったのです。
旅館の娘に生まれた私。
その当時は今では考えられないほどの忙しい日々。
私は、いつも祖母の家で過ごしていました。
祖母が作ってくれる “ごはん” が大好きだったな。
大きな海苔を巻いた、たわら型のおにぎり。
やさしい味の卵うどん。
甘いかぼちゃの煮物。
お料理の味も、その時、家の中を通り抜けていた風の匂い、
ときどき聞こえる電車の音 すべてが懐かしい。
そこは、お話の「トトロ」の世界そのものだった。
母のような存在だった祖母。
その祖母と過ごした家に今日、新しい人が越してくる。
ご縁があって家を借りてくれることになったのだ。
家は住む人を失うと、しょんぼりとしてくる。
だから、本当にありがたいことなのです。
けれど、やはり寂しい。 ごめんなさい。この想いに嘘はつけません。
キレイに掃除され新しい住人を迎える準備の整った祖母の家。
久しぶりに声をかけた。 「久しぶりやね、元気だった?」
そして、祖母がいつも私を見送ってくれた場所に立ち
しばらく目を閉じると、傍に祖母がいるようだった。
声が聴こえましたから。「さっちゃん」
見送ってくれていたのは、家から少し出た場所。
寒い日も、暑い日も、雨の日も・・・・。
小さかった私は、親の運転する車の中から手を振った。
そして、年月が流れ
車を運転する歳になった私を、背中が丸くなり身体が小さくなっても
変わらず祖母はそこに立ち手を振ってくれた。
涙が溢れます。大好きなおばあちゃんは、美しい人だった。
畑仕事をしてその後、家の掃除をいつもしてたよなぁ。
とにかくいつも動いていた人。
だから、お部屋も、台所も、そこにあるお鍋もグラスもピカピカ。
きれいな透明のグラスに注がれる冷たい麦茶が好きだったな。
そう思っていた時、グラスたてだけが、まだ台所に残っていて
懐かしさがいっそうこみ上げてきました。
大切な人との想い出、時間は色あせないものですね。。。。
今日は、久しぶりに祖母と話ができたように思います。
おばあちゃん。呼ぶだけでも涙が溢れますが
そんな存在であってくれた祖母に感謝です。
そして今も心の中でいつも私を応援してくれる祖母へ
ありがとう。おばあちゃんの孫であることを
誇りに思います。そして、繋いでくれた命をちゃんと大切に
まっすぐ生きていきます!そんなことを思う今日この頃です。
皆さまも、自分を大切に自分を好きでいましょう・・・
それが命を繋いでくれた人への
最高の恩返しだと思いますから(^v^)